しこたまといっしょ

↑タイの夜景にブリッジするしこたま

授業中に観て号泣した映画紹介

《映画の感想で「泣いたー」って言う事は感想を述べる事への放棄宣言。涙は生理現象の一つなのでそれは「おしっこ漏らしたー」と同じだ。》

これは私の友人がキレながら言ってて「ちょwwおまwwwおしっこってwwwwww」とかなりウケたセリフなのですが

確かに映画の感想で「いやー泣けました!!(ドヤ!)以上!」はおかしいですよね。

 

「ほんと泣けた!」

 

「なにが?なんで?」

 

あと最近やたらと多い「ラスト◯分、あなたは涙が止まらない!」これも嫌いな謳い文句ですね。

「絶対泣けるから!」と宣伝される映画は嫌いですし、そうやってでしか作品を紹介できない配給会社や広告会社はもう終わりだと思ってます。お前らは一生グレイテストショーマン観て馬鹿みたいに泣いてろ。バーカ。this is me。

 

 

「泣ける映画=素晴らしい映画」ではないと思います。

でも素晴らしい映画は時に、私たちの感情をめちゃくちゃにして、それがもうどうにも出来なくて涙が止まらない、という事はあります。泣かせるための映画じゃなくて、強いメッセージを持つ映画ね。

 

前置きが相変わらず長いですが私が芸科の授業で観賞して見事に泣いた作品を紹介します。

 

①ステラダラス 

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容姿はずば抜けていいが、かなりのアホ&非常識女ステラは知性と教養を持ち合わせたエリート層育ちのスティーブン•ダラスと結婚する。

やがて2人は母に似た美しい容姿と、父の頭脳明晰さを持ち合わせた素敵な娘をもうけ大事に育てていく。

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しかし母ステラの変わらない浪費癖と非常識な行動は夫を苛立たせ後に別居。ローレルはステラの元で暮らすことに。

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ローレルが日に日に才色兼備な女性になっていく様子を見て喜ぶ傍、ステラは自分の教養のなさや育ちの悪さが今後娘に迷惑をかけるだろうと思い、正式に夫と離婚し失踪。

 

時は過ぎ、娘ローレルはエリートで優しい男性と結婚式を挙げる。

ひどく雨が降る式場の外。そこには貧相な姿のステラが。警備員に帰れと注意されながらも、花嫁姿の娘を見つけたステラは母のみぞ知る幸福に涙したのであった。

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これね、多分1年生?のころ見て教室でギャン泣きしたwwwwwwそして数日間引きずったwwwwww

私、母親は子どもを産んだ瞬間から母親になれるわけじゃないと思うのよ。そんなの当たり前だって言われるかもしれないけど、子を育てる中で一緒に成長して母になっていくのだと思うの。完璧なお母さんなんていないしね。

ステラは本当にバカ女で何をしてもダメだったけど、娘にだけは真摯な愛をもって向き合っていた。だけどそれだけじゃ世間は認めてくれない。悲しいね。

ラスト、雨にずぶ濡れになりながらローレルの花嫁姿を探すステラを見ているともう胸がはち切れそうになる。いい親ってなんだろう。愛ってなんだろう。って考えさせられる。

 

「女は黙って!子育て!女は黙って!子育て!」的な表象なのでフェミニスト界隈からはかなり叩かれたそうなんですけど、私はエリート旦那やその界隈と上手く折り合いをつけられなかった貧困層出身のステラは時代の犠牲者であって、「親も子も夫婦もみんなお互いを尊重して生きていこう〜」っていうメッセージにも受け取れると思うのよね。それは人それぞれだけど。

最後のステラの涙は本当に美しい愛の現れだと思う。思い出して泣けてきた。つら。古いからみんな観ないと思うけど本当に好きな映画です。娘ができたら一緒にみたい。

長くなった。

次は『ダニエル•ブレイク』について書きます。どっちも人名タイトルだな。